シャーロット・ゾロトウ 文
ルース・ロビン 絵
みらい なな 訳
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忙しさにかまけて、クリスマスの飾りも何も手がついてない我が家です。
でも、せめて絵本だけは読みたいと思いました。
その間だけは、静かな時間が流れます。
今日 紹介する絵本は、クリスマスの本の中で、わたしが一番好きな絵本です。
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ある町の 落ち着いた建物のならぶ、美しい通りに、長いこと借り手のつかない建物がありました。
ここに クロケットさんという、この通りにふさわしくない みなりのみすぼらしい おじいさんがすむようになります。
おじいさんのすることなすこと、ここの通りの人には 変わって見えました。
自分で窓を拭く、階段を掃除する、家の前の枯れている木をとりのぞき、土を掘り返す・・・
(これは、日本の普通の家庭では 当たり前の事なんですけどね。)
あるクリスマス・イブの夕方、おじいさんは、花やの店先で、枯れたモミの木をみつけ、それを育てることにしました。
お店の人は、「枯れているものですから、お代はいりません」というのに、「・・・この木はりっぱに生きている。わたしは、この木にふさわしいお代をはらいたいのです」
そういってお金を払って、大事に持ち帰ります。
まわりの家の立派なツリーの飾りの中、おじいさんのみすぼらしいはだかのモミの木は、近所の人から目をそむけられるものでした。
春がきて、家の前のやわらかくした土に、モミの木を植えたおじいさんは、水をやり、毎日階段にすわって景色をながめ、遊びにくる鳥に えさ をやりました。
冬がくるとわらを敷き、木にとまった真っ赤なカーディナルは白い雪に赤い花がさいたよう、真っ青なブルージェイはまるで青空がのぞいているようでした。
春がくると、青みどりの椋鳥や、黄色のヒワ、白いハトもきました。
月日が流れ、モミの木はどんどん背が高くなり 暑い夏には、クロケットさんの階段に影をつくってくれ、冬はひときわ元気な葉をしげらせ、小鳥はコーラスをひびかせました。
何年もたったクリスマスイブの夜、降り続いた雪がやみ、一面銀世界がかがやきはじめました。
コーラス隊がモミの木の前で歌い始めると、小鳥たちはすっかり驚き、空中へと飛び上がってしまいましたが、またゆっくり降りてきて、一番上に白いハトがとまりました。
それから、赤、青、バラ色、黄色、青緑、灰色・・・
1本1本の枝の先にとまっていく小鳥たちと雪をのせたモミの木は、たとえようもなく美しいクリスマス・ツリーでした。
しばらくすると、やさしい歌声にあわせて、小鳥たちもうたいはじめました。
「わしにほんとうのクリスマスがきてくれた」とクロケットさん。
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この本は、さりげなく、いとおしむ心の美しさを 教えてくれる気がします。
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