絵本

アンデルセン童話 『はだかの王様』

昔、国民から愛される王様がいた。

王様は着飾ることが大好きで、会議よりも何よりも、お召し替え優先、 また、それに関するどんな訪問者も拒んではいけないこととなっていた。

ある時、二人組の織物師がやってきた。

とても美しい織物、しかも魔法の布を織るという。

それは、愚かで役目にふさわしくない者には見えず、

賢くて立派な人だけに見えるという不思議な織物という。

王様はすぐさま、その話に乗った。

どの家来が賢いか役目にふさわしいか 試せると思ったのだ。

織物が出来上がるのは、それは長い時間と莫大なお金がかかった。

途中、しびれを切らした王様は、家来にその出来を見にいかせるが、

家来は自分が見えないことが恥ずかしくて、

見えたふりをして、もっともらしく王様に報告した。

その次の家来も。

その次の家来も・・・

そして、とうとう、お召し物が出来上がった。

見えない!

でも、見えないと言ったら、自分が王様にふさわしくない事をさらけ出すことになる。

そこで、王様は、それを着てパレードをすることにした。

自分は、愚かでもない、役目にふさわしくないということもない、

賢くて立派な王様であることを示すために。

王様は、とてつもなく綺麗な 裾の長いお召し物を着ているふりをする。

家来も民衆も、

口々に、「綺麗なお召し物だ」、「見事なお召し物だ」と絶賛した。

みんな自分にいいきかせる。思いこもうとする。

でも、時々よぎるのは、

自分は愚かものなのか・・・?

役目にふさわしくないのか・・・?

いやいや と必死でそれを頭でもみ消すのである。

ざわめく観衆。

と、その時!

ある無邪気な子供が叫んだ。

「お父さん、どうして王様は裸なの?」

ざわざわざわ・・・・

初めて大人は気づく。

見えていないのではなく、

「はじめから王様は何にも着ていない!」

"But he has nothing on at all ! "

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あまりにも有名なアンデルセン童話ですが、

大人になってから読むと、

子供の時に感じていた事とは別の意味を感じます。

王様が裸で行進するという、虚栄心がもたらす恥ずかしさというより、

自分の評価にばかり気をとられる余り、

肝心の真実が見えないという愚かさです。

フィルターにかけることなく自分の目で見たまんまの柔軟な発想というのは、

いつの世も 子供に限られることなのでしょうか・・・?

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「ぼちぼちいこか」

今年はじめての絵本の紹介です。

マイク・セイラー作 ロバート・グロスマン絵

いまえ よしとも訳

恥ずかしながら、今江祥智さんの本は、あまり読んだことがないのですが、

以前 彼の講演会に行った人が、

「やっぱり、今江さんって、思った通り えせっぽくて、好きやわぁ。」

なんて、失礼なこと言ってたのを思い出します。

その今江さんが、外国の絵本に関西弁で訳をされているのが、とても内容に似合っていてしっくりくるのが、この絵本。

主人公は、カバ。

カバが いろんな事に挑戦するんです。

そして、挑戦するたびに、失敗するんです。

それでもめげずに、挑戦するんです。

次々と。

最後のくだりは、こうです。

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どないしたら ええのんやろ。

そや。ええこと おもいつくまで 

ここらで ちょっと ひとやすみ。

ま、ぼちぼち いこか 

と いうことや。

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この カバは、消防士になろうと思っては、はしごを割り、

ふなのりやパイロットになろうと思っては、船や飛行機がまっぷたつに割れ、

それでも、めげずに

バレリーナになろうと思ったり、

ピアニストになろうと思ったり、

そのたびに、床が抜けたり、

ピアノの脚が折れたり、

それでも、めげずに 次々といろんなものになろうと思っては、

見事に失敗するんですね。

しかも、失敗する以前の問題。

大きすぎたり、力がありすぎたり・・・

みさかいもなく挑戦するカバの姿には 頼もしさを覚えますが、

そのカバの最後のこの言葉には、癒されます。

そして、

バレリーナのチュチュを着たカバが とってもかわいいんですよ!!

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ハンネリおじさん

秋の花がいっぱい咲き乱れる絵本を紹介します。

でも、とてもとても哀しいお話です。

主人公のうさぎのこどもミトは、冬支度の始まる前に、耳と足がかたっぽしかなく、目が見えないおじいさんうさぎに、アカマンゾウの根っことコケモモを摘んで持っていきます。

いつもそういうおつかいをするのです。

今日は、行くと おじいさんがすっかり部屋を片づけて 旅の準備をしていました。

どこへ行くのか尋ねると、天の方を指さして、遠いところへ行くのだといいます。

ミトはおじいさんが遠いところへ旅だつ前に、どうして耳や足や目がそんなふうになったのか、ずーっと疑問に思っていたことを聞きました。

おじいさんは、昔 わなに片耳がひっかかった赤ちゃんうさぎを助けた時にそうなったのだといいました。

ミトは何としても、そのうさぎをさがして、おじいさんに「ありがとう」とお礼を言わせなくては・・と思います。

それで、そのうさぎをさがすことにしました。

きっと、そのうさぎは耳に傷跡が残っているに違いないと思い、うさぎにあうたびに耳をひっぱって、確かめました。

何匹確かめても、一匹もいません。

疲れて池のふちにすわって水を飲もうとした時、澄んだ水面に映った自分の耳のつけねに、赤い傷跡を発見したのです。

しばらく祈るように空を見上げていたら、その時、かすかに立った光の柱を見ました。

誰かがのぼっていくようでした。

ミトは激しく泣きながら、おじいさんの家にかけていくと、もう姿は見えません。

・・・・・

「ありがとう、ありがとう、ハンネリおじさん、あなたがたすけてくれたのは、ぼくだったのです。」

ミトはいつまでも泣き続けました。

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おおきなおおきなおいも

朝夕 少し涼しくなってきました。

そして、おいものおいしい季節になってきました。

それで 今日は この絵本を紹介します。

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待ちに待った幼稚園のいもほり遠足。

でも、雨になって、延期になってしまいます。

つまんない つまんない つまんない

だいじょうぶ

7つねると いっぱいおおきくなってまっててくれるよ。

そのおいも こーんなにおおきくなっているかな?

ちがう こーんなにおおきいんだ

ちがうちがう こーんなに いーっぱい おおきいんだ

せんせい おいも かくから かみちょうだい・・・・

もっとかみ

    もっとかみ

         もっとかみ

・・・・・・・・

どんな おいもができたかな

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

まだ

まだ

まだまだ

      まだ  

           まだ

うわー おおきな おおきな おいも!

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そして、これからがおもしろいんですね~

おもわず 笑みがこぼれてしまいます。

とめどもなくあふれる想像力に!

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このおはなしは、わたしが PTAでお話会をやっていたときに、

図書館で借りてきた蒔絵で したことがあります。

とにかく おいもが まだ まだ まだ まだ・・・

と続いていくところ。

ぽかんと口をあけて ただただ目をまるくしているこどもたちの顔が いまだに忘れられません。

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赤ちゃんのための絵本

絵本を子供に読んであげたい・・・と思う理由。

わたしの場合は、こうでした。

何かの講演で。

「ああしなさい、こうしなさい、あれしてはいけません、これしてはいけません・・・

こんな言葉ばかり聞いて育つ子供は、

言葉は否定的なものと捉えるので、

人の話をきかなくなります。

お話や言葉が楽しいものだとわかれば、

子供は人の話を聞く子になります・・・

だから、お話をいっぱい聞かせてあげて下さい。

お話の好きな子供にしましょう。」

そんなような内容だったと思います。

だから、お話が楽しいものだとわかるための手助けとして、絵本はとてもいい ということでした。

特に、子供との関わり方のヘタな人にとっては、とても有効な方法でしょう。

子供にとって大好きなお父さん、お母さんが、膝の上で、ゆったりとした時に読んでくれるぬくもりが、子供は大好きなのです。

だから、赤ちゃんのための絵本は、どんなものでもいいと思うのです。

お父さんやお母さんの感性で、かわいいな とか、楽しいな とか、色づかいがいいな とか 言葉がおもしろいな とか・・・

自分が読んであげるのだから、自分の趣味で選べばいいと思うのですが。。。

あえて わたしの趣味をいうなら・・・

*福音館 あかちゃんの絵本 林 明子の くつくつあるけのほん 4冊入り

1. くつくつあるけ ・・・くつがぴょんぴょんはねたり、つまさきでとんとんしたり。くつだけしか出てこないのに、まるでくつをはいた子の顔が浮かぶよう・・・さすが林さんお見事!

2. おててがでたよ・・・なかなかでない、おててにあたまにおかおにあんよ。すぽん でたー! シャツを着せる時、こんな風に楽しみたい!

3. きゅっきゅっきゅっ・・・みんな たべるとき こぼしてる。 おくちのまわりをふいてあげるね きゅっきゅっきゅっ。こどもがこぼすのは 当たり前。拭くときも こんなぐあいにリズミカルにできたらいいな。

4. おつきさまこんばんは・・・とくに満月のようなまあるいものが子供は大好き。でもお月さんは、子供に限らず大人も永遠のあこがれですね~

わたしは 林 明子さんの大ファンです。

やさしい絵もさることながら、こどもをみつめるまなざしがどこまでもどこまでもあたたかい。

こんな風にゆったりとこどもをみつめたかったなぁ~

今だから感じる事ですね。

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かわせみのマルタン

Dscn0798_1  リダ ぶん

ロジャンコフスキー え

いしいももこ・おおむらゆりこ やく

カストールおじさんの動物物語(全3冊)より

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・・・・青いいなびかりのようなものがひらめいたので、わたしは目をあげました。

そして、わたしはおどろきました。かわせみが、このとき、はじめてわたしの王国にはいりこんできたのでした。

空よりも青く、絹よりもつややかな、この小鳥が、どこからやってきたのか、いまでも、わたしにはわかりません。

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この話は、カワセミのマルタンが、美しい渓流をつりばにやってくるところから、やがて妻のマルチーヌを連れてきて、巣をつくり、子を産んでえさを運び、そしてマルタンが死に、追うようにマルチーヌが死に、そして また新しいカワセミがやってくる という物語です。

それ以上のストーリーはありません。

それなのに、まわりの自然や動物たちと、めぐる季節の中で、こんなに美しく描かれた本もないのでは と思うくらいです。

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・・・

「セイクス、セイクス!」

ある朝、マルタンが小川の土手によこたわっているのを見つけました。マルタンはもう動きません。

・・・

2,3日して、わたしは、また、あのかなしい声をききました。

「セイクス、セイクス!」

・・・

一羽が死ねば、あとの一羽は生きて行かれないというほど、かわせみたちの愛情は、深く強いのです。残った一羽は、ただひとりきりになり、とぶことも、たべることもしないで、とうとう、その心臓は、止まってしまうのです。

・・・

すると、とつぜん、フルルル、フルルル!

いなびかりのように、青いつばさの二羽の小鳥が、水とすれすれに、橋の下をくぐってとんでいって、枝の上にとまりました。

マルタンとマルチーヌの子供達が生まれ故郷にかえってきたのでしょうか?

・・・

きょうは、何もかもが、青く澄んでいます。

空も、水も。

そして、4つのつばさは、青空よりもこい青です。

そして、水は、歌いながら、流れていきます。

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しあわせなモミの木

シャーロット・ゾロトウ 文

ルース・ロビン 絵

みらい なな 訳

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忙しさにかまけて、クリスマスの飾りも何も手がついてない我が家です。

でも、せめて絵本だけは読みたいと思いました。

その間だけは、静かな時間が流れます。

今日 紹介する絵本は、クリスマスの本の中で、わたしが一番好きな絵本です。

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ある町の 落ち着いた建物のならぶ、美しい通りに、長いこと借り手のつかない建物がありました。

ここに クロケットさんという、この通りにふさわしくない みなりのみすぼらしい おじいさんがすむようになります。

おじいさんのすることなすこと、ここの通りの人には 変わって見えました。

自分で窓を拭く、階段を掃除する、家の前の枯れている木をとりのぞき、土を掘り返す・・・

(これは、日本の普通の家庭では 当たり前の事なんですけどね。)

あるクリスマス・イブの夕方、おじいさんは、花やの店先で、枯れたモミの木をみつけ、それを育てることにしました。

お店の人は、「枯れているものですから、お代はいりません」というのに、「・・・この木はりっぱに生きている。わたしは、この木にふさわしいお代をはらいたいのです」

そういってお金を払って、大事に持ち帰ります。

まわりの家の立派なツリーの飾りの中、おじいさんのみすぼらしいはだかのモミの木は、近所の人から目をそむけられるものでした。

春がきて、家の前のやわらかくした土に、モミの木を植えたおじいさんは、水をやり、毎日階段にすわって景色をながめ、遊びにくる鳥に えさ をやりました。

冬がくるとわらを敷き、木にとまった真っ赤なカーディナルは白い雪に赤い花がさいたよう、真っ青なブルージェイはまるで青空がのぞいているようでした。

春がくると、青みどりの椋鳥や、黄色のヒワ、白いハトもきました。

月日が流れ、モミの木はどんどん背が高くなり 暑い夏には、クロケットさんの階段に影をつくってくれ、冬はひときわ元気な葉をしげらせ、小鳥はコーラスをひびかせました。

何年もたったクリスマスイブの夜、降り続いた雪がやみ、一面銀世界がかがやきはじめました。

コーラス隊がモミの木の前で歌い始めると、小鳥たちはすっかり驚き、空中へと飛び上がってしまいましたが、またゆっくり降りてきて、一番上に白いハトがとまりました。

それから、赤、青、バラ色、黄色、青緑、灰色・・・

1本1本の枝の先にとまっていく小鳥たちと雪をのせたモミの木は、たとえようもなく美しいクリスマス・ツリーでした。

しばらくすると、やさしい歌声にあわせて、小鳥たちもうたいはじめました。

「わしにほんとうのクリスマスがきてくれた」とクロケットさん。

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この本は、さりげなく、いとおしむ心の美しさを 教えてくれる気がします。

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「とこちゃんはどこ」

Dvc00030 雷がゴロゴロという季節。

「かみなり」→「だるまちゃんとかみなりちゃん」→「かこさとし」→「とこちゃんはどこ」

というわけで、なつかしい 1冊を紹介します。

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といっても、元祖「ウォーリーをさがせ」のようなもので、

すぐ とことこかけだして、どこかへいってしまう とこちゃんをさがす絵本です。

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子育て中、絵本作家や童話作家の講演に行くのが好きでした。

「だるまちゃんとかみなりちゃん」

「だるまちゃんとてんぐちゃん」

などでおなじみの かこさとしさんの 講演にも行きました。

「日本子どもを守る会会員」でもあり、

遊びの研究 だったか そういうのも されていました。

「とこちゃんはどこ」では、実にたくさんの人人人が小さく小さく描かれています。

「人は はんこを押すのですか? と聞く人がいるけども、

一人一人 全部 描きますよ。

だって、同じ人は一人としていませんから。」

そんなようなことを言っておられたような記憶があります。

かこさんの絵本は、子どもの絵がかわいい とか そういうんじゃないんですね。

子どもそのものの所作や行動をそのまんま 冷静に受けとめて、

すっぽりと 包んでくれる 大人からの視線が あって、

そのことが、子どもの本来のかわいさを教えてくれるんです。

「とこちゃんはどこ」で、

買い物に行っても、動物園に行っても、海水浴に行っても、お祭りに行っても、デパートに行っても、

どこへでも とことこと かけだしていく とこちゃん。

そして、とこちゃんの周りの人々が あますことなく、とこちゃんと同じレベルで冷静に描かれているのです。

普通なら、「もう!どこに行ってるのよ!」 と怒りたくなる場面ですね。

でも とこちゃんがみつかったら、

「ああ、とこちゃんがいきそうなところ!」

と 妙に納得して にんまり とさえしてしまうのです。

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かこさんの 子どもを受け入れる器量の大きさ深さを感じます。

そして、最後の文は こうです。

「かえりみち、おとうさんも おかあさんも、とこちゃんのてを しっかりにぎって、はなしませんでした。」

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講演の時、絵本にサインをもらいました。

娘2人の名前をいれてもらいました。

そして、欲張って、3冊もかいてもらいました。

どれもこれも違う女の子の絵でした。

子育てで、疲れていたその時のわたしには、

それはそれは 大きなごほうび でした。

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ロバのシルベスターとまほうのこいし

Dvc00002_23 ウィリアム・スタイグ 作

せた ていじ 訳

「石」にとりつかれているようです。

不思議な「石」のお話です。

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ロバのシルベスターの楽しみは、かわった形や色の小石を集めることでした。

ある夏休みの雨の日、シルベスターは奇妙な小石をみつけました。

燃えるように赤く光っていて、ビー玉のようにまん丸でした。

この小石をさわって 「雨がやんでくれたらなあ」というと、ぴたっと雨がやみました。

この石に魔法の力があると悟った シルベスターは

まず何をねがおうか とあれこれ考えながら いちご山を越えていくと、

むこうから おなかをすかせたライオンが現れます。

あまりにも あわてふためいた シルベスターは、

「ぼくは○○になりたい」と願って ○○になってしまいました。

そのために、シルベスターは二度と小石をさわることもできず、

おとうさん、おかあさんにも会えず、

じっと、そこにいなければなりませんでした。

誰に気づかれることもなく。

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さて、○○をあてて下さい。

という謎解きではありませんので、

続きです。

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ロバのシルベスターは、あんまり あわてて 

「岩」になりたいといってしまったのです。

もとの自分に戻るチャンスは、ただひとつ。

誰かが あの赤い小石をみつけて、

岩よ、ロバになれ!

と願ってくれることです。

そんなことって あるでしょうか・・・

星が降るほどの夜になって

岩になったシルベスターは寝るよりほかにありません。

一方、家では、とうさんかあさんが、

よっぴて眠らずに、待っていました。

心配で心配で・・・

ふたりとも、かわいいむすこなしでは いられません。

近所にきいても、ともだちにきいても、警察にも

手がかりはありません。

村中の、犬という犬が いたるところを捜しましたが、

あの岩を 誰が シルベスターだと わかりましょうか。

もう、とうさんかあさんにできることは何もなくなり、

つらくて、暮らすはりあいも なくなります。

月日が流れて、やりきれないシルベスターは

いっそ岩になりきろうと思って、

眠って過ごすようになります。

秋がきて、木の葉が錦になり、

風がふきすさび 雪が降りました。

やがて、木々に若葉が萌え 花が明るく咲きました。

ある日、シルベスターの両親は

ピクニックに出かけます。

「かわいいシルベスターがいなくても、

気をとりなおして 楽しく暮らそう」 と。

そして、おくさんが あの岩に腰掛けました。

おかあさんのあたたかさで目を覚ましたシルベスターは

「ぼくだよ!ここにいるよ!」

と叫びたかったでしょう。

でも、岩ですから。

ものいわぬ岩ですから。

そして、おくさんがお弁当を並べているあいだ、

だんなさんは 散歩をして、

あの赤い小石をみつけます。

「変わった石だ。シルベスターが見たら、喜ぶだろうに。」

そういって、石を岩の上に置きました。

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ここまでくると、

あとひといき。

そうです。

シルベスターが「もとの僕になりたい。ホントの僕になりたい!」

って願えばいいのですから。

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そして、魔法の小石は 鉄の金庫にしまわれました。

今のところ、のぞむことがありませんでした。

みんなの望みが すっかり 足りたのですから。

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「あたらしいぼく」

シャーロット・ゾロトウ文

エリック・ブレグヴァド絵

みらい なな訳

ぼくはぼくなのに、いつもと違う。

壁の模様も、部屋のぬいぐるみも、おもちゃも、遊びも。

きのうと一緒なのに、

今日は、それが妙にこどもっぽかったり、がらくたに感じる。

ぼくは、ぼくなのに。

そうして、貝がらとすきな本をのこして あとは全部 箱にしまおう。

ぼくは いま ここにいる

ぼくは

あたらしい ぼくなんだ

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シャーロット・ゾロトウさんは、こどものこころの成長をかいておられます。

だから、こどもが読んでも、 その時は ぴんとこないと思います。

多分、大人が読んで ずん とくる本なのではないかと思います。

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おもいきって 捨てなければならないものが たくさんあります。

特に、本は かさばるし、埃がたまりやすいし。

近所の人のご好意で、頂いた お古の本が

ずっと処分できずにいました。

図鑑など、カラーで綺麗だし・・・

でも、誰も見ないといいます。

何せ近所の方ゆえに、廃品に出しているのを見られたら、

どんな思いをされるのかな と しのびなく、長い間 家の中を陣取っていましたが、

今日、思い切って、ブックオフに持って行きました。

何冊かのうち、1冊だけ(のりもの図鑑)に値がつきました。

これだけは、また 誰かの目に 触れてもらえるのでしょう。

今やインターネットで、何でも調べられるし、便利です。

でも、わたしは、いつでも ぺらぺらとめくって ながめられる本が好きです。

ただし、好きな本に限りますが。

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ピーターラビットの本にでてくるハーブ

Dvc00003_8 もう、キャラクターですっかりおなじみのピーターラビットのシリーズです。

このシリーズ

ストーリーに、おもしろい筋や山はないのですが、

淡い色彩がとてもやさしいですね。

ところで、このおはなしには、よくハーブが登場します。

ピーターのおかあさんが売っている、

せんじくすりの「カミツレ」や「うさぎたばこ」は、

ハーブ、「カモミール」と「ラベンダー」のこと。

このおはなしの中では、おなかをこわしたピーターがのまされています。

調べてみると、ヨーロッパでは最もポピュラーな薬用植物だそう。

うちの職場で、インディアンのシャンプーをやたら奨める上司がいました。

インディアンは禿げないのだそうで、そのシャンプーは、髪に良く効くというのです。

そのシャンプーの成分に「カミツレ」もしっかり入っていました。

結局、使ったことはないのですけど。

また、ピーターのきょうだいのフロプシーのこどもがレタスを食べ過ぎて、ねむってしまって、マクレガーさんにつかまってしまうのですが、

「レタスを食べ過ぎると、さいみんやくのように、きくそうです」 とおはなしの中でいっています。

その話を ずっと前に、職場の飲み会でしていたら、「韓国のレタスは本当に眠くなる」といっていた人がいました。

ピーター・ラビットの作者 ビアトリクス・ポターさんという人は、いわゆる理科系の人で、「きのこ」学者でもあります。

そして、厳しい上流社会の中の窮屈な生活から、のがれるように、このお話をかいたのでしょう。

このお話は、ファンタジーではなく、とても生活に密着したものなのです。

だから、ピーターのおとうさんが、事故にあって、農夫マクレガーさんのおくさんにお肉のパイにされる なんていうことが平気で 出てくるんですね。

小さな本ですが、24冊あります。

持っていてうれしい本ですね。

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イギリスのポターさんの住まいは、ナショナルトラスト運動によって、当時のままの広大な敷地が環境保護されているということですが、

イングリッシュガーデンで有名なコッツウォルズと共に、行きたいところのひとつです。

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くんちゃんのはじめてのがっこう

Dvc00002_1 ドロシー・マリノ さく

まさき るりこ やく

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くんちゃんは、きょうから学校へ行きます。

おかあさんのあとをおいかけながら、

みつばちに出会い、

こうもりに出会い、

ビーバーに出会い、

その都度、「ぼく がっこうへいくんだよ。」と言います。

学校に着くと、おかあさんは帰って行きました。

さて、授業が始まりました。

先生は、上級生を指して、教科書を読むよう言いました。

くんちゃんは字が読めません。

いすの上で、なるべく小さくなりました。

先生は、次に別の上級生に、字を書かせました。

くんちゃんは、字が書けません。

もっと 小さくなりました。

次は、計算。

もっと もっと 小さくなりました。

そして、次に先生は、新入生のハリエットスージーくんちゃんに前に並べたいすにすわるように言いました。

その時 くんちゃんは開いている戸口からさっと外へ出ていってしまいます。

先生は、黒板にハリエットと書いて、”” で始まる言葉を聞きます。

くんちゃんは、窓からのぞいてみました。Dvc00002_2

ハリエットは、下をむいて、

やっと 「はな」 といいました。

くんちゃんは、

「ぼくも しってる。」

と こころの中でおもいました。

「はちみつ」

次はスージー。

「すみれ」

「ぼくも しってる。」 くんちゃんは おもいました。

「スープ」

先生は 「だれか ” で始まる言葉を知っていますか?」とききました。

くんちゃんは、おもいっきり せのびをすると

窓の外から さけびました。

「くま、くるみ、くまんばち!」

くんちゃんは もう 心配していませんでした。

こんな勉強 なら くんちゃんにも できます。

次の朝、くんちゃんは とっても早く起きて 庭のひまわりをいっぱいつんで、いいました。

「これ、学校へ もっていって先生にあげるんだ。」

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好きなもの 好きなことが あるということは、

大きな自信につながるのですね。

字が読めなくても、字が書けなくても、計算ができなくても、

自信満々になった一年生のくんちゃんが、とっても かわいいです。

そのほか、くんちゃんシリーズは多数。

どれも 色づかいは一色です。

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おおきななみ

DVC00002 バーバラ・クーニー 作

掛川 恭子 訳

アメリカンドリームというのでしょう。

ヨーロッパから移り住んできた人が、

アメリカで巨万の富を築いていった家で育ったハティ。

春になると、夏の服をあつらえてもらい、

夏になると、その服を持って、海の近くの 夏の家に移り住み、

秋と冬には、学校に行き、

次の夏には、もっと大きな夏の家にうつり、

ひっきりなしのパーティと、お客様。

ハティの姉は、そこへ訪れてくる、申し分ない人と結婚することになり、

ハティの兄は、パパの仕事を手伝います。

そんな中で、ハティは好きな絵を描いてすごします。

そして、火曜日には、たいてい パパとママと劇場にオペラを観にいきました。

ダイヤモンドやオートクチュールで飾り立て、すわるのは4番ボックス席。

ある火曜日の夜のこと。

下の舞台では、若い女性の歌手が、身も心も、自分のすべてをはきだして、歌っていました。

ハティはみじろぎもしないで座っていました。

ハティにもわかったのです。

身も心も、自分のすべてをはきだして、絵を描くときがきたのです。

「わたし、画家になることにきめたの。」

「おじいさまのようにね。」 ママがうれしそうにいいました。

ハティもにっこりしていいました。

「ううん、わたしはわたしよ。」

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これは、バーバラ・クーニーの母親のことをかいた絵本です。

周囲を自分の目でしっかりと見て、すすむ道を選んでいく少女の姿が、実にさわやかに描かれています。(掛川 恭子 より)

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何不自由のない生活の中で、

自分の進むべき道が、しっかりと選べる少女。

これは、すごいことだなぁ と思います。

最後の「ううん、わたしはわたしよ。」

という言葉が心に響きます。

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みるなのくら

DVC00001 みるなといわれたら、なおさら みたくなる

そんな本能は、子供の頃からみんなあるのでしょう。

有名な昔話です。

おざわ としお 再話

赤羽 末吉 画

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山でたきぎをとって それを売ってくらしていた貧しい若者が、

林の中のうぐいすの声に誘われて奥に入っていくうちに、

道に迷います。

とほうにくれていると、遠くにあかりがみえ、

そのあかりをたよりにいくと、大きな屋敷。

若者は一晩の宿を頼みます。

中から出てきた美しいあねさまは、

立派な屋敷に通して、ごちそうをもてなします。

次の日に、留守をあずかった若者は、

十二あるくらのうち、十二番目のくらだけは、みてはいけない

といい残されます。

しばらくして、若者は、ひとつづつ くらを開けていきます。

一のくらは、お正月

二のくらは、節分の豆まき

三のくらは、桃の節句

四のくらは、花見

五のくらは 端午の節句

六のくらは 田植え

七のくらは 七夕さま

八のくらは 夏祭り

九のくらは 大嵐

十のくらは 刈り入れ

十一のくらは 秋祭り

そして・・・

忘れたわけではありません。

でも、みたくて みたくて

どうにも がまんができず・・・

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この本は、日本の四季折々の行事を

赤羽 末吉さんが日本画調で挿絵されており、

特に外国の人に日本を紹介するのには、

格好の本だと教えてもらった一冊です。

単純なストーリーでこそあれ、

次は何だろう、次は何だろうとページをめくっていき、

みるなのくらの前まできた時には、

誰しも どきどきした経験があるのではないでしょうか。

でも、みなけりゃ、不完全燃焼で もやもやする。

みて すっとしたい!

みてはいけない といわれたけれど・・・

そんな自分の弱さと葛藤しつつ。

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「ルピナスさん」

DVC00001

バーバラ・クーニー 作

かけがわ やすこ 訳

年頭に紹介する本は、これです。

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海をみおろす丘の上、

そこには、青や紫やピンクの花が咲き乱れています。

ルピナスさんの家です。

アリスはおじいさんから、夜になると、遠い国々のおはなしをしてもらいました。

そして、おはなしが終わると、いつもアリスはいいます。

「大きくなったら、遠い国に行って、

おばあさんになったら、海のそばの町にすむわ。」

すると、おじいさんはいいます。

「もうひとつしなくてはならないことがあるぞ。」

アリスは、大人になって、ミス・ランフィアスと呼ばれるようになり、

望みの通り、働き、遠い国々を見て回り、

海の近くに住まいをみつけ、家の周りに花の種を植えます。

「でも、しなくてはならないことがもうひとつある。

世の中を、もっと美しくしなくてはならないわね」

おじいさんとの約束です。

でも、どうしたらいいのかわかりません。

からだを壊して、2度目の春が来て、散歩にでかけたミス・ランフィアスは、

丘の反対側に、風で種が飛んだ、青や紫やピンクのルピナスの花をみつけます。

その時、すばらしい考えが浮かびました。

国いちばんの種屋さんに、ルピナスの花の種を、たくさん注文して、

夏の間中、種をポケットに入れて、村のあちこちに蒔いて歩きまわったのです。

次の年の春がくると、村中がルピナスの花であふれていました。

野原、海沿いの丘、広い道の両側、細い道の脇、

学校の周りや、教会の裏、くぼ地や石垣ぞいにも。

その人は、ルピナスさんとよばれるようになりました。

ルピナスさんは、遠い国々の話しをよく聞かせてくれます。

「わたし、大きくなったら、遠い国に行って、帰ってきたら、海のそばにすむわ」

「それはけっこう。でも、もうひとつしなくてはならないことがあるよ。

世の中を、もっと美しくするために、・・・」と、ルピナスさん。

わたしは、何をすればいいか、今はまだわかりませんが、

きっといつか、わかる日がくるでしょう。

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パステルカラーのとても美しい絵本です。

ルピナス・・・暑さ寒さがやや苦手で、過湿を嫌う、マメ科の花で、長い花茎いっぱいに、カラフルな花を咲かせます。草丈は30~90cm

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「おもいでのクリスマスツリー」

DVC00003文 グロリア・ヒューストン

絵 バーバラ・クーニー

訳 吉田 新一

クリスマスツリーを立てる習慣は、起源はドイツのようですが、このお話は、アメリカのアパラチア山脈の奥の村が舞台となっています。

村の教会に、ツリーを毎年違った家族が立てるならわしを描いたものです。

ここにでてくるツリーは、バルサムモミという、素敵な名前の木で、

しかも、その木は、大胆な男しか登っていかないような山の、天高くそびえる、ごつごつの岩に育つものだ ということです。

主人公の女の子ルーシーは、木を立てる当番の年の夏に、お父さんと一緒に、この木を捜しにでかけ、印をつけて帰ります。

ところが、クリスマス間近になっても帰ってこない、兵士に出たお父さん。

代わりに、来年のために用意している、谷間のりっぱなヒマラヤスギを、今年切ってもいいという申し出を、牧師さんからきかされるお母さん。

でも、お母さんは、きっぱり断ります。

「いいえ、今年は うちがツリーをたてる番ですよ。

トムは戦争にいく前に、ちゃんと木を選んでいきましたからね。」

そして、その夜遅く、ルーシーとお母さんは、大きな引きぞりを馬につないで、丘をのぼって、尾根をわたって、上へ上へと登っていきます。

お母さんは、みつけた木に、おのを高く振り上げました。

おのの刃が、月の光を受けて、ピカリと光り、バシッ!ビシッ!という音が、まわりの岩山や丘に響き渡りました。

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バーバラ・クーニーさんは、古きよき時代の本当にあった話に、当時のくらしを取材し、絵をかいておられます。

とても、かわいらしい絵です。

本当に素敵な絵です。

でも、雄大な自然を背景に、芯の通った骨太のストーリーが、よりいっそう心をとらえます。

そして、きりっとした冬の情景は、しんしんと冷える夜にこそ、美しさを引き立ててくれるように思います。

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もちろん、このルーシーが、クリスマスの日に手に入れたプレゼントとは・・・

もう おわかりですね。

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「人形たちのクリスマス」

DVC00005 By ターシャ・テューダー

二人の女の子の、それぞれの人形が主役で、クリスマスを祝うお話です。

いとこの人形たちも加わって、にぎやかにクリスマスの宴が行われます。

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わたしが、ターシャさんのことを知った時、

おったまびっくりしたのは、

自分が作った人形たちの結婚式をしたというエピソードです。

ウェディングスーツに身をかためた「大佐」と、

ウェディングドレスに、長い長いヴェールをかぶった「エマ」の結婚式です。

そのシーンを画像で観た時、わたしは、驚きを隠せませんでした。

人形遊びというのは、子供だけのものだと思っていたからです。

大人が人形遊びを楽しむなんて、そんなゆとりなんてないと思ってたし・・・

でも、しばらくして、

大人になっても夢中になれるものは、どんなことでも有る方がいいに決まってる・・・

と思い直しました。

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ターシャさんは、若い母親になったとき、クリスマスディナーやクリスマスツリーを用意する間、子供達を何かにひきつけておきたくて、〈人形たちのクリスマス〉を思いついたそうです。

「人形が別の人形に贈り物をする、その手助けによって、子供達は物を贈ることの真の意味を知るようですし、クリスマスの喜びを2倍にしてくれます。」とも言っています。

ターシャさんをもっと早く知っていたら、もっともっと子育てが楽しかったのになぁ・・・

周りを気にせず、もっと自分流に楽しんでもよかったのになぁ・・・

でも、今、ターシャさんを通じて、自分がこどもだった頃の、わくわくする気持ちを、思い出させてもらっています。

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「アンナの赤いオーバー」

DVC00006 ハリエット・ジィフィールド 文

アニタ・ローベル 絵

松川 真弓 訳

この前までの紅葉も、少しづつ散っていき、12月の声をきいた途端、冬です。

このお話も、冬にまつわるお話です。

アンナは、小さな女の子。

オーバーは、すりきれて、小さくなっていたので、戦争が終わったら、新しいのを買ってもらうはずでした。

ところが、戦争が終わって、何もありません。

お母さんは、お金はないけれど、おじいさんの金時計や、いろいろ素敵なものがあるって思います。

それで、まず、お百姓さんの所に行って、金時計と引き換えに、羊の毛をもらうことにしました。

春になって、冬毛を刈るまで、アンナは、日曜日はたいてい羊を見に行きました。

なでたり、干し草をあげたり、歌を歌ったり。

そうして、春になって、刈り取った羊毛をもらいました。

それを持って、今度は、糸つむぎのおばあさんのところに行きます。

おばあさんは、ランプと引き換えに、さくらんぼの熟す頃に、つむぎあげます。

夏の終わりには、コケモモで糸を赤く染めました。

その糸を持って、はたやさんのところへいきます。

ガーネットのネックレスと引き換えに布地にしてもらいました。

そうして、仕立屋さんは、アンナの赤いオーバーを素敵にしたてました、ティーポットと引き換えに。

もうすぐクリスマス。

イブには、お百姓さん、糸つむぎのおばあさん、はたやさん、仕立屋さんをよんで、一緒にケーキを食べました。

クリスマスの日、アンナは羊に会いにいきましたよ。

新しい赤いオーバーを着て。

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今は、欲しいと思ったら、お金さえあれば、何でもすぐに買えます。

ありがたいことに。

でも、この女の子みたいに、感謝の気持ちをもてるでしょうか。

羊に。お百姓さんに。糸つむぎさんに。はたやさんに。仕立てやさんに。

一年近くも待って。

そして、親は、子供のオーバーを買うために、もしもお金がなかったら、

大事な 金時計、ランプ、ガーネットのネックレス、ティーッポットを差し出すのでしょうか。

物がたくさんあって、贅沢になっているのに、

何かが欠乏している気がするのは、わたしだけではないはず・・・

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このアンナのオーバーの、アニタ・ローベルさんの描く 何とも言えない赤色(カシスレッドというのでしょうか)が、とても印象的な本です。

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Good Times with Teddy Bear

DVC00002 寒くなってきました。

明日は、もっと寒くなるのでしょうか。

そこで、暖かい色味の洋書絵本を紹介します。

Jacqueline McQuade というイラストレーターがかいた絵本です。

主人公は、Teddy Bearです。

その Teddy Bear がする 大好きなこと が各ページにかいてあります。

まさに 小さい子供のための 絵本です。

Eating breakfast in bed ・・・おいしそうなジャムつきパンをベッドで食べるなんて

Playing outside  ・・・落ち葉をけちらしながら猫ちゃんとかくれんぼ

Sipping hot soup ・・・外から帰って、あったか~いスープは、ほっこり

Paintig a picture  ・・・そして、暖炉の前でお絵かきしたり

Baking cookies  ・・・おかあさんと作ったチョコレートクッキーをちょっとだけあじみ

Having a tea party ・・・大好きな猫ちゃんと三時のおやつ?

Playing checkers  ・・・おとうさんとチェッカー遊び

Watching the sunset ・・・猫ちゃんと金色に輝く夕日を見たり

Snuggling in a soft towel  ・・・おふろの後は、ふわふわのタオルにくるまれて・・・

Reading a book ・・・ベッドタイムストーリーは?

Cuddling with Mom ・・・おかあさんのおひざにのって、ビッグハグをもらう 「大好きよ」って。

Tucked in bed ・・・今日はなんて楽しい一日だったんでしょう!

・・・勝手に解説つけちゃいました・・・

これは、あくまでも絵本です。

とにかく、油絵調の筆跡のある感じがあたたかい。

絵を見てほしいのです。

この絵本は、Teddy Bear を通して、ここちよいムードや質感 を伝えてくれます。

わたしは、この絵本が大好きなんです。

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「しんせつなともだち」

DVC00007 「マイ ファースト ブック」という言葉があります。

わたしは、「自分が覚えている最初の本」 と解釈しています。

わたしの それは、こんなおはなしです。

とにかく、あったかいぬくもりを感じる絵本だったことを覚えていました。

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ゆきがいっぱいふって、たべものがなくなった こうさぎが、

たべものをさがしにでかけます。

かぶをふたつ みつけて、いえにかえるのですが、

こんなに寒くて きっと ともだちは、たべるものがないだろう と

かぶを ひとつ ろばのところへ もっていきます。

ところが、ろばはるすだったので、かぶを おいてかえります。

かえってきたろばは、自分がみつけたさつまいもを食べてから、

「ゆきがふって、こんなに寒い。やぎさんは きっとなんにもたべるものがないでしょう。」と

そのかぶを ともだちの こやぎのところへもっていきます。

るすだったこやぎは、今度は、自分がみつけたはくさいを食べてから、

ともだちのこじかのところへもっていき、

まわりまわって、こうさぎのところに もどってくる という

あったかい おはなしです。

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大人になって、この絵本をさがしました。

題名はわからなかったのですが、

福音館の本だろうと思っていたので、すぐにみつかりました。

ところで、この絵本を、もう一度見てみると、

つっこみたくなるところが いっぱいあって。

まず、こうさぎがみつけたかぶは、

葉がチョンときってあって、雪の上にころがっています。

こじかがみつけた青菜は、根がついたまま 雪の上に横たわっていますし。

それに、こじかの家には障子があって、それが とても 不自然。

どの動物の家も、とても簡素で、机の他には、ほとんど何もない。

しかも、みんなこどもなのに、親がいる気配がみじんもないのです。

その中で、やぎが妙にリアルなんです。特に目が。

わたしは、このやぎの目がこわかったのを、

すごく覚えているのです。

こわいくせにじーっと見てしまう。すいこまれるように。

だから、このおはなしを覚えていたのでしょうか。

この中にでてくる動物や野菜は、いかにも とってつけたみたいで、

そのひとつひとつが、とても インパクトがあるのです。

たくさんの雪、何もない部屋、親もいない、寒くて、ひもじい(何弁?)。

その中で、ともだちを思いやる 気持ち だけが、浮き彫りにされるようです。

お話がよかったのか、

絵が印象的だったからなのか、

やぎの目がどうしてもこわかったからなのか、

不思議な感じで、心に残る絵本でした。

でも、こわかったやぎの部屋に、唯一置いてあった、遊び道具といえる

毛糸と編み針に、ほっとあたたかくなる感じを覚えた記憶もあるような・・・

DVC00006

作 ふぁん いーちゅん

訳 君島 久子

画 村山 知義

そして、すべての画に 筆記体で tom とサインが入っています。

どれをとっても、不思議な組み合わせです。

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最後に、ねむっていたこうさぎが、めをさまします。

「やあ、かぶがもどってきた」

こうさぎは、ちょっと くびを ひねって かんがえましたが、

すぐに わかりました。

「ともだちが わざわざ もってきてくれたんだな」

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どうしてもこわかったやぎの目ですが。

それほどではないにしても、

今見ても、少しこわいです。

そして、もうひとつ覚えていること。

この本は、読んでもらったのではなく、自分でよんだ絵本だということ。

確か幼稚園くらいの頃のことです。(字がよめたんですね。エッヘン)

これが、わたしの 「マイファーストブック」 です。

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The Rabits' Wedding

DVC00008 洋書の絵本です。

"The Rabbits' Wedding"  Story and Pictures by GARTH  WILLIAMS

日本語では、確か「しろうさぎとくろうさぎ」という題だったと思います。

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いつも 一緒に遊んでいた しろうさぎとくろうさぎですが、

時折、くろうさぎがすわりこんでさみしそうにします。

そのたびに、しろうさぎはくろうさぎに尋ねます。

" What's the matter? "

そのたびに、くろうさぎは答えます。

" Oh, I'm just thinking, "

DVC00010

そして、あるとき、しろうさぎが 尋ねます。

" What are you always thinking about ? "

" I'm just thinking about my wish,"

" What is your wish ? "

" I just wish that I could be with you forever and always, "

DVC00009

" Why don't you wish a little harder ? "

" I wish you were all mine ! "

" Do you really wish that ? "

" I really do , "

" Then I will be all yours , "

DVC00011

" Forever and always ? "

" Forever and always ! "

ほかのうさぎたちがきて、しろうさぎとくろうさぎをお祝いに と、とりかこんで、踊ります。

ほかの動物たちも やってきて、月明かりに照らされながら、踊り明かします。

そして、しろうさぎとくろうさぎは、大きな森の中で、幸せに くらしました。

And the little black rabbit never looked sad again.

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「ガース・ウィリアム」という人の作品は、モノトーンで、すごく繊細な線で絵を描く人です。

そして、お話も、それこそ 起承転結 が はっきりとあるわけではありませんが、

会話の積み重ねの中からデリケートな気持が伝わってきます。

ストレートではないけれど、婉曲的な表現力は、彼独特のもののように思います。

会話を繰り返すことで、微妙な気持ちをくみとることを 味わえるのが

彼の作品の魅力なんでしょうね。

他に、夜ねつけない子供の気持ちを描いている「おやすみなさいフランシス」

など、「フランシス」シリーズは多数あります。

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なにはともあれ、

HAPPY WEDDING TO SACHI   

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ぼくお月さまとはなしたよ

DVC00006 朝晩 ひんやりとしてきました。

久々に絵本から、フランク・アッシュという人の絵と文の本です。

どのページも登場人物は、クマくん ひとりです。

そして、色調は、どのページもグリーンを帯びたブルーが基調の、とてもシンプルな絵本です。

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お月さまの誕生日にプレゼントをあげたいと思ったクマくんが、お月さまと話をしようと、川をわたり、森をぬけ、山の頂上にのぼります。

そして、お月さまに話しかけるクマくん。

クマくんがはなしかけると、そのままかえってくるお月さまのこだま。

そのこたえでお月さまのほしいものがわかり、プレゼントの帽子を木の枝にかけておきました。

朝になって、枝から落ちた 帽子をみつけたクマくんは、お月さまからのプレゼントだと思いこみます。

ところが、風にふきとばされてしまうのです。

クマくんは、また、お月さまと話すため、川をわたり、森をぬけ、山の頂上にのぼります。

「こんばんは!」クマくんはさけんだ。

「こんばんは!」とお月さまがこたえる。

「ぼく、あなたがくれたぼうしをなくしちゃったんです。」と、クマくん。

「ぼく、あなたがくれたぼうしをなくしちゃったんです。」と、お月さま。

「いいんですよ、そんなこと。だって、あなたがだいすきだもの!」と、クマくん。

「いいんですよ、そんなこと。だって、あなたがだいすきだもの!」と、お月さま。

「おたんじょう日、おめでとう!」

「おたんじょう日、おめでとう!」

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月は何にも語らないのに、自分の心の反映だと気づかずに、

お月さまと話した と、素直に喜ぶ無邪気なクマくんが、とても かわいいです。

昔から お月さまは みんなが大好きなものなんですね。

日本でも、昔から月を題材にしたものは多いですが・・・

こんな句を思い出しました。

「名月を とってくれろと 泣く子かな」・・・ 一茶

「月みれば ちぢに物こそかなしけれ 我が身ひとつの 秋にはあらねど。」・・・大江千里    小倉百人一首より

 

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